スポンサーリンク


上記の広告は一定期間更新のないブログに表示されます。新しい記事を書く事で広告が消す事ができます。

  

Posted by みやchan運営事務局 at

2023年05月07日

ノンフィクション、美野里の過去

私には20代後半で、一年半付き合った恋人がいた。
時々、彼の家にも遊びに行って、お母様からも
『いつまでもふらふらしてるから、早く一緒になってやって。』
と、歓迎を受け

結婚適齢期で
回りが次々結婚していく中で、私もいずれ。
そうなるだろうと思っていた。

沖縄旅行にいく日が決まった時、彼は私の家族に会うと言ってくれた。
だけど
私は父の厳しさを知ってたから、遠慮して
『いいよ、大丈夫だよ』

つい、そう言っていた。

沖縄旅行から
いや、私が断ったその時からかも知れない。

考え方が微妙にずれはじめて、旅行は、まぁまぁなものになった。

高校生の頃に一度行ってたから、感動が薄れた。とゆうのも、除外できないが
あの頃とは違う場所に訪問したのに。


帰ってきてから、少しずつ喧嘩が、増え
彼の母が(彼が長男であることもあり、心配して)私の身辺調査をし
複雑な家庭環境を知り

くるり。
手のひらを返した。

まだ携帯電話が無かったから
家に電話をしたとき、それを知った。
そして私が聞いたことがない◯◯宗教に入っていたことを知った。

あの頃の私は
数ヶ月起きに招待される結婚式に
結婚よりも憧れた時期だった。
世間をなんにも知らない小娘が、きらびやかな衣装を着ること

幼稚からの夢を
実現させたいと思った。

けど、それが叶わない。

なら、離れるしかない

お互い1ヶ月、時間をおこう。そして久しぶりに会った彼を
まだ少し、好きだと思った。けど、彼とは結婚ができない、なら、スパッと離れよう。

ちょうど職場が変わり、仕事に集中することで時々は寂しさを思い出すことがあったけど

あっという間に時はすぎて

合コンに頻繁に、誘われるようになった。
でも。人見知りでタバコの匂いが苦手な私は、食べる専門。

そんな中
次第に私は
過去のトラウマに縛られていった。

知人が紹介してくれた男性に、最初っから、自分の家庭環境を伝え、それで引かれたなら、それまでよ。

みたいな、ひねくれもの、
さらに、長男は嫌。


ことごとくだめになり

『もう他人なんて、信じない。』

7年後、丈夫だった父が突然入院した。
親戚もあてにできない私は、入院手続きも、危険なリスクを伴う手術説明も含め、全てを一人でこなした。


そして
その時久しぶりに、心の支えが欲しいと思った。

途中、警察官と出会って3回で、将来を決めようとしたけれど
見抜かれた父の猛反発にあい、

幼い頃、叔母の結婚式でみた、幸せな結婚式に憧れていた私は、むりにも説き伏せたいとは思わなかった。それだけ、好きじゃなかったのかもしれない。

そして時がすぎ
もう一人で生きていく
そう決めたとき

するり、私の日常に彼は現れた。

最初は
彼が長男ではないことを知ってからだった。


人の縁は不思議ね。



とても。




それでも
私はあの頃
世間と厳しい現実を知る前に
結婚式をしなくて良かった。
今は心からそう思う。
ただ、親に孫を抱かせてあげられなかった、後悔はちょっぴり、残ってる。






これから
私はどうなるのだろう
どうしたいのだろう


  


Posted by ayaori at 15:38Comments(0)

2023年05月06日

ノンフィクション。有り難う

「やっぱり他人なんか、信用できない」
美野里はそぅ思った。





信じられる
そう思う人は
早くに他界

子供の頃から
親戚からの妬みや、お金のトラブルを目にしてきて


同級生だったイトコから、手のひらを返したようにいじめられ

職場の女社会で揉まれたこともあり

弱かった意気地無しの私でも、強くならざるを得なかった。


そしたら
『君は独りでも大丈夫』
誰が決めた?

そうして
一人で生きると決めた


少し弱っていた頃
あの人の声を聞いて
懐かしさを覚えた




遠距離、忙しすぎて
会えなくて。


神様が
会うなてゆうたみたいに
いつもすれ違う

うまく伝わらなくて
もどかしくて
寂しくて
喧嘩ばかり

売り言葉に買い言葉

それでも私はもぅ二度と口にしなかった言葉
それをあなたは言った。

ふたりの気持ちが通じ会った、11年後の記念日に。




あなたから
『大嫌い』


言葉のナイフが、
胸に突き刺さった。



「てか私、いつから弱くなった? 」


そう、呟いていた。
元々、一人が好きだったはずなのに。


コチカチカチ

時計の音がやけに響く

やっぱり
頼るなてゆうことなのよ



新緑の頃
マスクして写った
数少ないうちの、
最後の写真

少し年取って
目尻が下がる笑顔が好きだった。



だけどもぅ
好きにならない。

強くなる。




ばいばい。


  


Posted by ayaori at 08:51Comments(0)

2023年01月18日

椿~Dignified




貴方と知り合って
もぅ何年経つのでしょう。

ほんの数回
言葉を交わしただけで
「好き」と思ったのは
間違いでしょうか

いつも
凛として
存在するべきだと
気をはりつめて居たわたくしに

貴方は風のようにするりと
流れ込んできましたね



貴方を好きになって
わたくしは弱くなりました。

貴方と離れて1人で居ることが
怖くなりました。寂しくなりました。

でも
ちょっぴり
いや
かなり?

強くなりました。


気づけばいつも
わたくしの頭上に
そっと、
そぅ。
傘のように

存在してくれていることに
感謝します。


花の命は短くて
ぽたっ。

道端に落ちるのを待つだけ

けれど
きっとあなたはまだ愛してくれるでしょう?

不確かに
けれど
心のどこかで信じてる

けれど
寂しくて
不安で


貴方に当たり散らしてしまうの

ごめんなさい。
早くわたくしを拾い上げてね。





〈椿〉
花言葉:「控えめな優しさ」「誇り」

山茶花との違い:
花の上に必ず一枚は、花を隠すように葉があります。
見て見てください。

ぽたっ。
落ちたら、お皿に浮かべてあげるといいですよ。


Thank you!





  


Posted by ayaori at 03:41Comments(0)

2022年12月30日

あなたへ ~

あなたへ

お元気ですか
久しぶりに手紙を書きます。

もぅ、漢字も忘れてしまったけど

この場所で
いつかまた会おう

あなたが言った場所(せいしあん)は
建て変わったよ

私は好きな仕事して
お給料貰え
面倒なこともあるけど、家族揃ってお正月が迎えられる

そこそこ幸せね

ただ
最後の
パズルのピースを無くしたみたいに
ぽかん。


心の奥底に満たされない部分があるの

ずっと
ず━━━━━━━━━━っと
会えなかった


けど
あなたに支えられてた私が居るの

寂しい時は
胸に手をあてて
あなたを想うわ。

私の中に思い浮かぶあなたは
6年前の姿のまま、だけど



また一年間
今年も
有り難う!


来年もよろしくね。。





  


Posted by ayaori at 00:36Comments(0)

2022年08月11日

貴方へ(延岡ショートストーリー・フィクションです)

私は今年もこの場所に立っている
川の流れに添って

川のど真ん中で
あの人を待つ
『毎年、ここで一緒に鮎を食べよう』
耳打ちされた、遠い記憶を辿って・・・。

江戸時代から続く
大瀬川にかかる鮎ヤナを
毎年一度、見に来ていた。

ある時期から
簗を見ることができるよう
川の端から端に
歩行できる道ができた。

珍しい事が好きな私は
鮎の気分になれるよぅで
この場所に立つことが好きになっていた

西を向けば
山肌から流れ落ちた一滴が
かたまりとなって集まり

東を向けば
広い海へと繋がる道
そこに幼い頃からみた紅白の煙突
(あぁ、ここが故郷だ)と、感じられる場所。

10年前
橋が初めてできたあの日
カメラを抱えたあの人と巡りあった。

昔懐かしい雰囲気を纏った、私より頭ひとつ、飛び抜けて背が高いその人は
延岡の歴史に詳しかった。

興味本位な私と違って。


連絡先も聞かなかったが
市内在住

狭いと言われる延岡
そのうち会えるだろぅとたかをくくっていた
ある時
増水で橋を渡ることが出来なかった

ある年
『好き』と言われた

けれど
私は答えることが出来なかった

自分に
自分が置かれた家庭環境に自信が持てない。

でも
捨てられない


なのにあぁ。今年も足を向けてしまう。

あの、川真ん中の[故郷]を見に。



『カシャン』
あの懐かしい靴音が近づいてくる

あと何年、話すことができるだろう


今日も快晴。
一滴の想いは
海へと流れ行く





*******
延岡水郷鮎やな


300年以上続く延岡水郷鮎やなは延岡に秋を告げる風物詩となっています。

市街地に架設される鮎やなは全国的に珍しく、さらに100メートルを超える川幅への架設は国内最大級の規模を誇ります。

また、川原で鮎を焼く風景は環境省が選定する「日本かおり風景百選」に選ばれています

(延岡市役所ホームページより抜粋)






  


Posted by ayaori at 03:23Comments(0)

2022年05月07日

今日は記念日。ネットの章。


1人っきりだった時
『どんなにすれ違っても、運命は相手だったら必ずどこかで会える』
そぅおもっていた。


1人っきりだった私に
彼の低音な声が染み込んだ。

そこから、私は彼に興味を持った。
顔を知らないのに
声に、喋り方に惹かれた。


すでに条件でしか
人を好きになれなくなっていた私

話を聞いているうちに彼は
すっぽり。はまっていた。


やり取りをするうちに
好きにならないはずがなかった。

一年間
Facebookで友達申請をして

さんざん放置されまくり

これは脈がないんだ!


諦めかけた5月5日子供の日


初めて返事があった。

『まる。

事情があって
Facebookの友達登録はできないけど

でも、
大好きになったから。』と。


今もその事情とやらは教えて貰えていない
(これには腹立つ(笑))


しかも。

遠距離。



いったいなんなんだ

と思う。


この10年
別れては
戻り



戻り
別れ

また戻り。腐れ縁か?


変わらないことは
5月5日になると
あの頃を思い出す

あの頃の気持ちを
思い出す。


相棒よ
いつもありがとう。



さて来年の今日は
どうしているだろうか。



楽しみだ!







  


Posted by ayaori at 20:16Comments(0)

2022年03月02日

梅の章

オールナイト
ラジオ

ききながら


僕は君との再会を願う


あの、満開の白梅が、咲き誇った日。




『こんにちは、何年ぶりかな♪』

髪をショートにした彼女が
幼さが残った、変わらない笑顔で僕を見る


彼女は言った

『240年前の今日、あなたと此処で会おうて
約束してから
毎年、見に来てたのよ
会えてよかった!』



樹齢 240年 以上
本東寺慧日梅(ホントウジ,エニチバイ)

会いたいと願う人々が
集う場所








僕は今も、心は君の傍にいるよ

きっと、またいつか会おうね

  


Posted by ayaori at 03:02Comments(0)

2022年02月11日

雪寛の章

さよなら

さよなら

さよなら


何度あの人に言っただろぅ

そのたびに呼ばれて
振りかえって

元の場所に戻る

あたしはもぅ
戻りたくはない

こんな辛い恋はたくさん



そぅ思って・・・・・・・



この長い長いトンネルは
どうやったら灯りが見えるんだろぅ



雪がしんしんと降り積もり

ただひたすら
新しい足跡をつけてゆくだけ


前へ前へ

  


Posted by ayaori at 21:08Comments(0)

2021年11月30日

由佳理~桜の頃に。

僕はずっとラジオが好きだった。
ラジオの中で
僕は[メッセージ]という形で
生きることができる。

どんなに嫌な事があっても
送ったメッセージが読まれたら
ちょびっと、胸の奥が
スカッとする。


そんなある日
エンクロス(延岡駅)内
いつものようにイヤホンでラジオを聞いていると
リスナーさんが僕に呼び掛けた

『メッセージはキーウイさんから、駅長さんへです

駅長さんは、駅にいらっしゃいますか』

僕のラジオネームは
駅長。
電車が好きで
駅が好きで
子供のころ、絵を評価されて、ご褒美が
1日駅長
だったのだ。

いきなり名前を呼ばれたのでドキドキはらはらしたが
返事の メッセージを送った

[僕は本当は、昔
1日駅長をしただけなので
駅に居るときと居ないことがあります。
でも、駅が好きなので
2階のカフェ付き書店で
時々 ぼーとしたり、本読んだりしにいきますよ]

僕はそぅ答えた。


数日後。
いつものように本を読んでいると

『駅長さん?』

目がくりっと大きい、ストレートボブの女子高生から声がかかった。

内心、慌てる
(昔懐かしいかんじ。誰だっけ?えーっと。)

そんな僕に彼女はくすっと笑い
『覚えてませんか、ゆかりです♪』

(あっ。一ノ瀬結花理ちゃん。
僕が一日駅長していた頃
近所に住んでいた同級生の妹だ!
よく一緒に遊んでて
途中で僕は隣町に引っ越したんだっけ。あの時、泣いて追いかけてきてくれた女の子。あの時可愛らしい小学1年生、きれいになったなぁ)

『お兄ちゃん、お久しぶりっ!時々ここで見かけてね、似てるな~て思ってたけど、確信がなかったの!あと、ラジオのメッセージの感じが、お兄ちゃんの話し方に似てるなぁて思って
だからこないだラジオで質問したの。
そしたら、やっぱりお兄ちゃんだった♪』

ラジオネーム キーウイ=彼女、結花理だったのか

僕はどう答えただろうか
なぜか緊張して、しどろもどろだった気がする。

彼女が去っていく後ろ姿を見送りながら
そんなことを考えていた。



3ヶ月過ぎても
もう結花理は現れなかった。
駅裏の桜が満開になり
駅の正面と西口をつなぐ 渡り廊下で
階下に電車が入ってくる。
そんな登り下り電車を数回見送り、僕は正面玄関の方向へ降りようとしていた。

『お兄ちゃん』

「結花理ちゃん?」


こないだ、高校のセーラー服に身を包んでいた結花理が
ベージュ色のスーツ・黒のパンプスをはき
で、更に女性らしくなっていた。

『私ね、お兄ちゃんに似合うように頑張ったよ!卒業して、就職も決まったの♪』

彼女のキラキラ感に、眩しさを覚えながら
「卒業&就職おめでとう!
・・・ん?似合うようにって?」

『私、ずっと優しいお兄ちゃんがずっと好きだった!私と結婚して。』

唐突な彼女に驚く
「あれは、子供時代であって、今の僕ではないよ」

そう伝えると

『昔も今も、お兄ちゃんは優しいよ!こないだ私の友達を助けてくれたよ』

その後、話を聞くと
秋頃に、駅校内で迷っていた聴力障害の子を電車に乗るまで案内したことだった。確か、四国に帰るゆうてたな。

あの時、見送る予定だった結花理が、渋滞にはまって遅刻したのだそうだ。そして僕が友達を優しく誘導している背中を少し離れて見ていたのだという。
そういえばあの、電車に乗った子から名前、聞かれたんだったな。

『お兄ちゃん、私と結婚しよ♪』

昔から、彼女は猪突猛進型だったが、びっくりだろ。

「いや、、急には」
『じゃあ、じゃあ、結婚を前提にお付き合い、しましょ!』

ちょっっと待てよ
なんなんだこれは
どっきりか?と、周囲をキョロキョロする

『お兄ちゃん、あたし、本気よ!じゃあ、また明日、ここの2階、いつもの窓側の席にいてね』

そう言って居なくなった翌日。
ばか正直で
由佳理と話したいと思って少しの期待を持ちながら
いつもの席に座っていると

『ヨォ』
細身で長身の彼は
一目でわかった
由佳理の兄・裕也だ

「久しぶり!元気?」

『元気にしてるよ。
由佳理がなぁ。。
本気らしいぞ(笑)』

『実はあの時な、引っ越したあと、ず~~っと、泣いててな。お兄ちゃんと結婚したい!一緒に、行きたかった!てな。親父もおふくろもなだめるのに時間がかかったんだぞ~。まだ想ってたなんて、兄貴の俺も昨日聞いてびっくりだったけどな(笑)。まぁ、どこの馬の骨かわからんやつより、俺の義弟になるのも良いやろ?考えてやってくれよ』


「そりゃぁさ、僕も由佳理ちゃんは可愛がってたし。でも、あれから何年経ったと思う?僕に夢を見られて、付き合って、現実を目にしてがっかりするのが落ちだよ?そんなんでいいのか?」

彼裕也とは、地元の大学で、学部は違うが時折会話を交わしていたから、違和感無く話せた。

『いいんじゃないか、お前なら。』

この兄妹は。。

『とりあえず、3日に一回くらい、一緒に晩飯食ってやってくれ。両親が他界して、ばぁちゃんはいるけど
俺は仕事忙しくて、構ってやれないんだ、頼むよ』




その言葉から5年後
今山で由佳理と
結婚式をしている。



人生は不思議なものだ







数日毎に地元の居酒屋や、ファミレスで夕飯を食べ、
その後は由佳理の祖母とも、夕食を共にするようになった。

祖母から
『早くひ孫を抱かせておくれ、花嫁姿を見せて欲しい』


その頃には僕は由佳理の素直さと明るさに、すでに引かれていた。

いや、
駅で逆プロポーズを受けてから

いやいや
幼きころ
引っ越してから
彼女に会いたいと思っていた


そぅか。


結婚3ヶ月前
僕から正式にプロポーズをした。


由佳理は
『じゃあ、結婚式は、今山で!披露宴は、エンクロス2階を貸しきってね♪お兄ちゃん!
旦那様(*゚ー^)』

彼女のいたずらっぽい眼差しは、幼い頃と同じだった。


僕はいつものラジオに
メッセージをいれる


[結婚します
彼女の、幼き頃から変わらない笑顔を守りながら、一緒に歩んでいきます。]








  


Posted by ayaori at 05:01Comments(0)

2021年11月24日

くまさんの背中

建物を見るのが好きなあたしは
今日、歴史的建造物である、青空医院に来ている

すでに閉院されているが
何年かに一度
建物内部を見せて貰えるからだ

カメラ小僧みたいに写メまくるあたしの隣で
キレイなお姉さんが一眼レフを構える姿はかっこいい!
いつかあたしもああなりたいと思う。

受付横でオルガンに似た、何とも言えない穏やかな曲が弾かれ
建物と同化する。

さっさと帰ればよいものを
あたしは
いや、あたしらは待っていた。

コーヒーショップのワゴン車
なかなか来ないねぇ~。

そんな会話を数人とし、
やっときたワゴン車のオープン手伝いをする、

あとはコーヒーができるまで待つ

ふっと、
再度診察室だった場所に足を向けた

入ってきたのは
革靴をはいた、背が高い男性

マスクをして
目が隠れそうになるほどの前髪

あたしは
『あ』

と、気づいた。



前日
海町通りのお祭りに
インタビューに来ていたADさんだ!

なぜわかったか
そのなかに知り合いがいて
声をかけられていたから。

あたしは、人の顔を覚えるのは、ちょー苦手だけど。

だから、洋服で覚えようとする、変な癖があって
彼の上着に見覚えがあったのだ。


つい、興味を持った。
見ていると、入っちゃいけない線引きされているところに足を踏み込んだではないか!


「入っちゃいけないんですよー
でも、見たいですねぇ

足のサイズが大きいですね。」


自分で、何をゆってんだ?

と、思いながら
次々と口をついてつらつら言葉がでてくる。
まるで、昔から知ってる人みたいに。

「あの窓の向こうに、素敵な庭があるけど、入れないんですって」
彼は一言『見たかったですね』

と、低い声で言った。

しばらくすると彼は人目を気にするようにその場から立ち去った。


あたしは(コーヒーできてるかな♪)と
ワゴン車に戻る。

と、

待っていた誰よりも先に
右のでっかい手には、紙コップに入れられたコーヒー。

その彼に
またあたしは要らんことを言ってしまぅ。


「え
私たち、開店準備を手伝って
待ってたんですけど。一番ですか」

彼は気まずそぅに『あ・・・そうだったんですか、すいません』と。

その後あたしもコーヒーを受け取ろり
振り向くと

4メートル先

コーヒーをこぼさないように
歩く背中が見えた。


まるで、くまさんの背中。

広い背中に、ちいちゃな、紙コップ。


森へ、帰ります~スタこらさっさ
あたしはそのまま、見えなくなるまで
後ろ姿を見送るしかなかった。。









それが、元からあった赤い糸なのかはわからない。

その糸は
すれ違い
絡み合い


彼も
あたしも
様々なことがあり、
乗り越え


10年後に再会する




長い長い恋の物語。




️  


Posted by ayaori at 22:25Comments(0)